私たちは、日常生活において意識することはほとんどないけれども生活のあらゆるところに契約が潜んでいます。たとえば、コンビニで弁当を手に取ってレジで「これください」と言い、店員から代金を請求されたらこれは立派な売買契約の成立です。でもこれを契約と認識している人はいないと思います。実は契約は口頭でのやり取りだけで成立するのです(民法第522条)。ここに落とし穴が潜んでいます。よく「言った」「言わない」の水掛け論で争いになることがあります。
契約は口頭で成立するけれどもその契約があったかどうかやその内容については当事者同士しかわかりません。もし後日争いが起こった場合に正当性を証明することができないとどちらかが泣き寝入りすることになってしまいます。
契約書の重要性がここにあります。
コンビニ弁当の売買などは口頭でおこなってなんの問題もありませんが、金額が大きい場合や期間が長期に渡る場合など、特に近親者や友人など身近な人同士での約束は注意が必要です。つい口約束で済ませていたために後日思わぬトラブルが発生することがあるからです。契約書の大事さを今一度振り返ってみることが大切です。