最近、終活で遺言書の作成に関心を寄せる方が増えているようです。それというのも遺産相続を巡って残された家族の間に抜き差しならぬ亀裂を生んでしまったという例を見聞きするからです。また一生かかって築き上げた財産を最後まで自分の責任で処分したいという思いの人もいます。
そのためには遺言書を残しておく事でトラブルを未然に防ぎ、また自分の思いを通すことができます。
遺言書には自筆証書遺言書と公正証書遺言書がありますが、法律要件を満たしておれば法的効力は同じです。ただそれぞれにメリットとデメリットがあるのでどちらにするかはよく考えて作成するようにしましょう。それでは、それぞれのメリットとデメリットをみていきましょう。
まず自筆証書遺言の場合のメリットは
・費用がほとんどかからない
・いつでも自由に内容の追加修正ができる
・内容の秘密を守れる
デメリットは
・法律要件を満たしていないと無効となる
・保管を自分で行う必要があるので紛失や廃棄、あるいは隠蔽の恐れがある
・家庭裁判所の検認が必要
それに対して公正証書遺言のメリットは
・公証人が作成するので法律要件の問題はおこらない
・家庭裁判所の検認は不要
・原本が公証役場に保管されるので保管等の心配が不要
デメリットは
・費用が掛かる
・証人として立会人が2人必要なため、秘密が漏れる可能性がある
・内容の追加修正をしたい時に手間と費用がかかる
自筆証書遺言では形式が法律要件を満たしていなかったばかりに無効とされる例があります。また内容が抽象的で解釈で揉めるというような事もあったりします。それを避ける為に行政書士等のアドバイスを受けながら作成することが望ましいでしょう。また公正証書遺言の作成での立会人に守秘義務のある行政書士等に頼むことで秘密保持ができます。
また2018年7月の民法の相続法改正により自筆証書遺言書を2020年7月から法務局で保管してくれるようになりますのでこうした制度を利用することで保管の心配はなくなります。